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2006.12.04 (Mon)

阿部愛奈美の医療現場で実際にあったお話

『性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律』が施行され『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』 も第3版に改訂された今日でも以下のような医療現場の無理解と患者排除の実態があります。医師と看護師の理解促進と地方での医療充実を訴えたいと思います。  私(阿部愛奈美)は性同一性障害の治療で女性ホルモン治療を2001年5月から苫小牧市内の同一婦人科病院で行っていました。その後専門医療機関である札幌医科大学付属病院(以下、札医)のGIDクリニック専門科開設後は札医を受診し、性同一性障害の診断書も頂き、現在は性別再判定手術(以下、SRS)のために通院しています。札医にて性同一性障害の診断書を頂いた時点で、苫小牧の病院には札医GIDクリニック「精神科」の主治医から医療紹介状を書いていただき、それを苫小牧の当該婦人科病院に提出して、また、札医GIDクリニック婦人科主治医の指示に基づいて女性ホルモン治療をおよそ一週間に一度の割合で診療を続けてきました。  しかし、私が長年通い続けた地元婦人科病院で3月25日の受診日に突然看護師から病院の都合でお薬の仕入れを行わないために次回からホルモン療法を継続できない旨通達され(本来であるならばこの様な重大な問題に関しては看護師を通すのではなく、医師が直接私に告げるべきです。看護師は担当医師がお話しがありますとだけ伝えればよいのではないでしょうか?)、その場でそれはおかしいのではないかと私が詰問し、その後病院の理事長とお話しましたが、公的病院か専門医療機関で診療を続けてくださいの一点張りでお話が先に進めない状態でした。私はその専門医療機関からの紹介状を元にその病院で治療を継続していたために納得できるはずもありません。  また、他の医療機関通院のために現在までの私自身の個人データーのコピーを請求しました(これは私が個人的に他の病院を探すときに必要と考えた為で、看護師と医師にもその旨お伝えしました)が棄却(閲覧は許された)され、医師と数十分押し問答のあげくに当院では今後診療を続けていくことが出来ない旨通告され、他病院の紹介をお願いしたが、他病院への紹介は私の方からの提案で紹介状作成料を請求すると言われ、(この時点までこの医師は他病院の紹介などは一切考えていませんでした。)病院側の一方的な診療拒否通告でそれはおかしいと反論すると、他病院へ電話で理事長自らお問い合わせし、その結果をご報告いただくことになり、数日後電話にてご報告いただきましたが、市内の病院ではお引き受け下さるところがないというお返事でした。(現在私の努力により、この理事長がお断りされたと言われた病院での治療継続が成されています。)  さらに、この理事長とお話ししたときに、私の提案として個人輸入による注射薬を入手しそれを持ち込んで診療を続ける事は可能かとの質問に対しそれは可能であるが、私が国内で自力で購入するか?或いは、私がその病院を通して全額前金で購入するか?又は、病院取引先から病院側が薬剤を仕入れ、仕入れた分の全額を私が前払いすることで良いのなら今後も治療継続が可能ですとのお答えに、ではその薬剤単価と最低仕入れ個数(数量)はどの程度かとの私からの問いにはお答えいただくことが出来ませんでした。このことは私としては不信が募るばかりです。薬剤の法的規制と薬剤の流通約款などにより私が必要とする薬剤を個人では購入できないことも(医師法違反に為るのでは?)医師はご存じのはずですし、大量の薬剤を一度に私に買わせることにより、金額的負担に耐えられずに診療をあきらめるだろうという私の憶測が働いても不可思議ではないと思います。  その理事長が特にお勧めで、私が期待した公立の市立病院での診療も薬剤がないとのことで診療を引き受けられないとのお返事でしたから、後日市立病院へ赴き、この点について問いただしてみましたところ、事務局員が応対に出てくださり、診療できるかどうかの判断のために専門クリニックの紹介状をお持ち下さいの一点張りで、2時間ほど議論いたしましたが埒があかず、担当医師と院長の見解を後日お返事いただくこととなり、その後、お電話でお返事を頂きました。(他県への転出など緊急事例を除き、本来医療紹介状は医師から医師へ書くもので、紹介先病院と医師がわからなければ書くことが出来ないことが多いのではないでしょうか?この為、実際は医師が対面して患者の諸問題を把握した上で、治療の進め方を考えるべきと思います。その上で紹介状が必要ならばその時に申し添えればよいことで、治療を求める者に対して医師の名前も知らせずに紹介状を持ってこいとはいかにも乱暴な対応ではないでしょうか? 医師が対面せずに安易にお断りすることは診療拒否以外に考えられないと思います。)しかし、院長や医師のお返事も院長と医師の判断で私一人のために薬剤を仕入れ、私に対する治療は行えないとのお返事でした。(注射薬の在庫が無くとも、緊急的には経口錠剤の服用も出来ます。)  さらに3月30日次回の診療時期が迫り、対応してくださる病院も見つからず(今回はあまりの急な出来事にGIDクリニック始め私が対応できる範囲を超えています。)私が通院している病院の理事長へ再び電話にて薬剤の在庫確認と診療の依頼を行ったところ、在庫(この時点で14アンプル、私一人の使用ですと約4ヶ月分の量になります)はかなりありますが、3月31日をもって薬剤問屋(又は製薬メーカーか?)に返品するというお答えでした。(これは完全に診療拒否ではないのか?)このため31日までは診療が可能だがその後の診療は薬剤を製薬メーカーに返品するために治療は不可能とのお返事でした。私は困り果てて取りあえず1回分のお薬を確保していただくようにお願いし(私はこの時、薬剤を確保するだけのお金は無かったのです。)、4月1日受診予定分のお薬を確保いただくことはお約束下さいました。  私はおよそ月に4本ずつこのお薬を使用しますし、女性ホルモン注射薬プロギノンデポー製造元の富士製薬工業株式会社や市内各薬問屋さんにお問い合わせしたところ、病院ではこれらのお薬は10アンプル1箱単位での仕入れが可能なはずとのお返事でした。10アンプルですとおよそ2ヶ月半から3ヶ月で使用しきってしまう数量で、仕入れ資金的にも僅かな金額のはずで(製薬会社等電話調査の結果から判断)、病院側が言うような在庫による経営圧迫は無いものと考えられます。  市立病院でも私が受診している婦人科でも、私がホルモン注射を休むと私の体がどのような状態になるか説明し、生活に支障を来す(女性の更年期様症状が強く出て生活に支障を来す)ことを訴えたにも拘わらず、(私が通院していた婦人科病院理事長(主治医)は、ホルモン療法の中断が私の体に及ぼす影響についてはご存じと言われました。)なぜ私が必要とするお薬を購入できないのか?また、なぜこの様な理由をつけて診療拒否するのか理解できずにいます。また、この様なこれらの診療拒否は医師の患者に対する医師法にも抵触するのではないかと考えられます。 医師法 第1条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。 第19条 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。  この様な医療現場での診療・受診拒否は大きな人権問題ではないかと思います。私としては『性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律』でも認められた診療にも拘わらず医療側がなぜ私たちを排除するのか?納得できるお返事を頂きたいと思います。  そして、『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』 も第3版では地方医療の充実が盛り込まれています。医師の方々が意識改革され、性同一性障害医療に対する理解を深め、地方での性同一性障害に関する医療の充実を図ること訴えます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 この一件は苫小牧市長と北海道知事宛にもメールいたしました。 そのメールを受けて苫小牧市長からお返事を頂きました。さらに、北海道からは知事代行として「北海道保健福祉部保健医療局医務薬務課」さまが調査に当たってくださいました。その苫小牧市長と私のメールのやり取り、北海道庁担当課の調査結果報告は以下の通りです。 【知事に送付したものとほぼ同内容のメールを厚生労働省、報道各社、日本弁護士会等へお送りいたしました。しかし、北海道庁以外からのお返事はありませんでした。指導監督しなければならない立場の厚労省が無視したことは性同一性障害の治療については、厚労省として問題に値しないとの判断だと私は思います。団体活動など、私の個人的理由によりこの時はこれ以上の追求を行うことが出来ませんでした。】
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